新型コロナウイルスワクチンの副反応について
新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっていますね。
私も先週の土曜日診療後に2回目の接種をしてきました(その後、当院では院内でのワクチン接種を断念してしまったので、他で少しでもワクチン接種のお役に立てればと、市のワクチン接種の方で臨時的に働いてきました)。
その際の個人的な副反応も踏まえて、現在わかっている副反応のデータについてまとめてみたいと思います。
ワクチン接種の副反応は2回目の方が頻度が高い
海外の報告では、従来のワクチンと比べると副反応の頻度は高いと言われていましたが、日本人においても同様に副反応の頻度は高いようです。そして、特に2回目の接種後は、3割以上の人に接種翌日に37.5度以上の発熱が見られるなど、全体的に副反応の頻度が高くなっています。
*厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料より
ちなみに私は1回目はちょっと接種部位が痛くなったくらいでした。2回目は、接種当日は接種部位と少し腕がだるい感じがしましたが、特に支障はありませんでした。しかし翌日は発熱(37.8度)、倦怠感があり、接種した方の腕の痛み・接種部位の痛みが強くなりました。そのため、解熱鎮痛剤を服用しました。薬の効き目もあったのか寝込むほどのものではなかったので、子供たちと外出するなどもし、普通に過ごしました。
副反応は若い人ほど全身症状が出やすいということなので、「私もまだ若いのかな!?」などと、副反応を感じながらもまんざらでもない気持ちにもなるという気分を味わいました。
副反応は、若い人の方が頻度が高い
厚生労働省の分科会の資料によると、年齢が高くなればなるほど、全身症状は頻度が低くなるようです。また、女性の方が比較的頻度が多い傾向にあるようです。
高齢者の方で、発熱や全身症状が心配な方にとっては、少し安心できるデータとなるのではないでしょうか(ただし、個人差はありますのでご注意ください)
もともと、従来の他のワクチンも1回目より2回目の方が副反応は出やすいと言われています。自然免疫応答にプラスされて1回目打ったことによって免疫応答が強くなっているからです。そして、若い方に出やすいのは免疫反応が強いためにこのような結果になると思われます。それだけワクチンが体の免疫システムに狙い通りの効果をもたらし、体が「防御機能を構築」できているということです。
副反応がないとワクチンの効果も弱いの?
そうなると、副反応がみられないのはウイルスに対する免疫ができていないからではないかと推測する人もいらっしゃるかもしれませんが、そういうことではないと言われています。
小規模なデータで接種後の副反応が強かった人は、弱かった人より抗体レベルが若干高かったというデータも出ていますが、米食品医薬品局(FDA)によると、ワクチン接種後2~3日でよく見られる副反応の発生や重さに影響するのは年齢や性別、一般的な健康状態である公算が大きいとされ、個人の副反応とワクチンの有効性に今のところ相関性はないということ言われています。今まで出てきている有効性のデータからもそのように伺えます。
ワクチンを接種するときに気を付けた方がいい事
接種した翌日に痛みで腕が上がらなくなる人や、疲労感が強くて仕事のできない人も中にはいますので、ワクチンを打つ日程は、翌日以降のスケジュールを考慮して決めた方がいいかもしれません。副反応は、ほとんどの場合、数日で改善します。痛みのひどい場合には、痛み止めを服用したりすることも良しとされています。