花粉症
花粉症について
花粉症はアレルギー性疾患のひとつですが、季節が近づくごとに憂鬱となったり、悩みの種となる、やっかいなものです。現在は日本人の5人に1人は花粉症と言われており、国民病とさえいえるものとなっています。
当院では最新の治療法により、花粉症でお悩みの方のご相談を受け付けます。検査・治療について、ぜひご相談ください。
花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキをはじめとした花粉に対し、体が起こすアレルギー反応全般をいいます。
繰り返すくしゃみや鼻水・鼻づまり、目の痒みや充血、涙が止まらないなどの症状が現れます。
また、顔や皮膚の赤みやかゆみ、肌がかさつくなどの「花粉症皮膚炎」なども花粉症の症状です。
アレルギー反応を引き起こす原因物質(アレルゲン)としては、植物の花粉、とくにスギ花粉が有名ですが、日本ではスギのほかにもヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物の花粉が花粉症を引き起こすといわれており、複数の抗原にアレルギーを持っている人の中には1年中症状に悩む人も少なくありません。
また、外部のみならず部屋の中のほこり(ハウスダスト)やごく小さなダニなども、花粉症と同様の症状を起こすことがあります。
近年、花粉症患者が増加しているのは、スギ花粉の飛散量増加によるものだと考えられています。
花粉症の検査と治療
花粉症治療の前にまずアレルギーの原因を特定するために、検査を行うこともおすすめします。
(*舌下免疫療法ご希望の方以外は検査は必須ではありません)
アレルギー検査では、血液検査によってアレルゲンを特定します。
当院ではVIEWアレルギー39検査を行っております。39種類のアレルゲンを一度の採血で調べることができ、おすすめです。
その上で治療は、アレルゲンを体内に入れない、触れない(抗原回避といいます)といった対策、そして薬物療法を中心に進めます。
内服薬
2~5月頃の花粉の飛散に合わせ、飛散が始まる2週間前(つまり1月中の、症状の出る前)から薬を飲み始めることで、ピーク時の症状を軽く済むように対処します。くしゃみや鼻水が強いタイプの人には効果的といわれています。
使用する治療薬は、大きく分けて以下となります。
①内服薬
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬・抗ロイコトリエン薬・抗トロンボキサン薬・抗プロスタグランディン・Th2サイトカイン阻害剤など
内服薬には眠気の強いものから弱いものなどがあります。必ずしも眠気が強い(鎮静作用がつよい)から効果が良いわけではありません。皆様の症状やライフスタイルをお聞きしながら一番合うものを考えていきましょう。
点鼻スプレー
対症療法療法のひとつではありますが、強い効果が期待でき、なおかつ副作用が少ないので、特に症状が強い人には、内服薬と局所スプレーを併用します。点鼻薬は自ら希望される方は少ないのですが、ステロイド系の点鼻薬は炎症を抑えながら鼻粘膜のむくみをとってくれるので、点鼻後の鼻症状は確実に楽になります。副作用もほとんど気にせずに使えますので、使用したことのない方でつらい思いをされている方は一度ご相談ください。
点眼薬
対症療法として薬による治療方法は、症状や状態によって次の1~3の組み合わせで治療します。
①抗アレルギー剤②抗ヒスタミン剤③ステロイド剤
*ステロイド剤について:確実、迅速に症状を引かせることが出来ますが、副作用が大きい薬です。副作用として気を付けなくてはならないのが眼圧です。ステロイド剤を点眼するとまれに眼圧値が高くなることがあり(ステロイド緑内障)、眼科医の判断のもと慎重に使用していく点眼薬です。そのため当院では、ステロイド剤を使用するレベルの眼の症状がある方には眼科専門医を紹介しております。
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抗ヒスタミン剤・テロイド外用薬(塗り薬)
保湿と併用して、弱いステロイド外用薬を塗ることで、症状が改善することがあります。
舌下免疫療法
注目されている治療法としてアレルゲン免疫療法があります。これまでスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は、皮下に注射する『皮下免疫療法』だけでしたが、最近ではアレルゲン免疫療法の研究が進み、舌の下に治療薬を滴下する『舌下免疫療法』の薬が登場しました。
アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。これによりアレルギー症状を治したり、長期にわたって症状をおさえたりする可能性があります。症状が完全におさえられない場合でも症状を和らげ、薬の使用量を減らすことが期待できます。
原因となるアレルゲンを用いて行う治療法のため、原因となるアレルゲンを確定する確定診断が重要です。アレルゲンの特定のために一般的には血液検査や皮下テスト法が用いられています。
詳しくはこちらのページへ⇒舌下免疫療法