エムラパッチ ~痛みの少ない注射~

当院では、注射時の痛みをできるだけ軽減する方法として「エムラパッチ」を採用しております。
私自身(院長)も試してみましたが、本当に痛みを感じませんでした(痛みの感じ方には個人差があります)。

自費診療:364円(税込400円)/回

エムラパッチの特徴

①60分貼付していただくと、注射時の痛みを軽くできます。
(すべての痛みが取れるわけではありません。主に針を刺すときの痛みをとります。痛みの感じ方には個人差があります)

②貼付してから60分間は院内で待機していただく必要があります。

③自費診療になります。お値段は、1枚364円(税込み400円)です。

*詳しくはスタッフまでお申し出ください。

 

エムラパッチ使用のメリット

予防接種等の場合は、穿刺時の痛みを取り除きます。

個人的に体験した際には痛みは感じませんでした。しかし個人差やワクチンの種類によって異なります。

薬液を注入する際の痛みはエムラパッチでは取れません。こちらは、針の細さや、薬液の温度や注入スピードなどでなるべく痛くないように努めております。

一方、静脈に薬液を注入する場合は、通常痛みませんので、ほぼ完全に痛みを感じないといったことが達成できる可能性が高いです。また、採血も、基本的にはほぼ痛みを感じずに行えるでしょう。

痛みを感じやすい方や注射に恐怖を感じる方などには大変有用であると思います。

注射に恐怖を感じるお子様には好評です。

「エムラパッチ」の画像検索結果

しかし、下記のデメリットもございます。


エムラパッチ使用のデメリット

①副作用の危険性がある(非常に稀ではありますがアナフィラキシーショックになる可能性があります)
⇒そのため、エムラパッチ貼付後は60分間作用するまで、院内で必ず待機していただく必要があります

②貼付後、約60分院内で待機しなければならない

③費用がかかる(別途、税込み400円費用がかかります)


副作用に関しては、重篤な副作用の発現というのは非常に稀です。基本的には0歳から使用できるお薬で、海外では10年以上前から子供の痛みのケアが行われ、エムラクリームのような局所麻酔クリームを日常的に使用し、子供たちの間では『マジック・クリーム』の愛称で親しまれ、注射などの処置の前に塗布する習慣ができていました。ここ最近でようやく国内でも「痛みの緩和は重要」という意識が行政にも周知され、痛みを軽減する処置やお薬に保険が使用できるようなったりしています。疼痛はコントロールしていく、無駄な痛みは感じなくてよいように、医療処置の恐怖を少しでもなくしていければと思っています。

ご関心がある方は是非スタッフまで申し付けください。

「エムラパッチ」の画像検索結果

 

注射の痛みの種類

①針をさすときの痛み

注射の針が皮膚をさすとき、「チクッ」という痛みを感じます。これは皮膚の表面に、痛みを感じる「痛点(つうてん)」があるため。痛点は、皮膚の表面1平方センチメートルあたり平均130ほどあるそうです。そのため、注射の針が細いほど痛点を避けることが可能となり、痛みを感じにくくなります。

②薬物の浸透圧による痛み
注射による痛みの中には、薬物の浸透圧(しんとうあつ)によるものもあります。浸透圧とは、濃度の違いにより生じる圧力のこと。血液の浸透圧は285m±5Osm/Lとされていますが、血液と薬物のあいだには浸透圧があるため、その差が小さい薬物ほど刺激が少なく、痛みを感じにくくなります
薬物のpHによる痛み

注射による痛みの中には、薬物のpHの差によるものもあります。pHとは、その物質が酸性かアルカリ性かをしめす基準値のことで、水のpH7.0がどちらにもかたよらない「中性」とされています。私たちの血液は、通常pH7.4でほぼ中性に保たれており、注入される薬物と血液とのpHの差が小さいほど刺激が弱く、痛みも小さくなります。

心因性の痛み

そのほかに、過去の注射の痛みの記憶によって引き起こされる、再度予期される心因性の痛み(梅干を想像すると口の中に唾が出てくるなどの現象と同じですね)などもあります。

 

 

 

 

 

 

薬物のpHによる痛み

 注射の痛みを減らす方法

注射の痛みを減らすには、下記のような方法があります。

① 注射部位を冷やす

注射する部位を冷やしておくと、痛みが緩和するといわれています。副作用もなく、手軽にできる方法です。これは注射後の腫れや痛みを緩和するときにも行われます。

② 極細針の注射針で行う

できるだけ細い針のほうが、穿刺時の痛みは少なくなります。当院でもできるだけ細い針を使用しております。
ただ、細くする限界とデメリットとしては、薬液を注入する痛みは減らない、薬液注入に時間がかかるといったことがあります。

③ 薬液をゆっくり注入する

薬液をゆっくり注入した方がいたくないという声があります。しかし一方で注入する時間が長いよりは素早く注入してもらった方がいいという声もありますので、個人差があるかもしれません。お子様などで動いてしまうと余計に痛くなってしまいますが、じっとしていられる方は、ゆっくり注入した方が痛くなさそうであるというのが私個人の今までの経験ではあります。ご希望があればおっしゃってください。

④ 気をそらす

心理的なことにはなりますが、特にお子様などは、風車をふいて回す、youtubeの動画を見せるなど、他のことに集中していた方が痛みを感じにくいようです。注射のことを考え、痛みについて考えていると余計痛く感じてしまうといったことがあります。

⑤麻酔テープの使用

ペンレステープという麻酔テープが昔からありましたが、当院では新しく発売された効果の高い「エムラパッチ」を採用しております。注射の穿刺時の痛みをとることができます。ただ、薬液注入時の痛みはとれませんので、予防接種(ワクチン)など皮下や筋肉注射の場合は完全に痛みをとるというよりは、痛みを減らすといったことになります。